2012年3月8日木曜日

SHIFT 日本語版 | PEOPLE | フランシスコ・ロペス

SHIFT 日本語版 | PEOPLE | フランシスコ・ロペス

エクスペリメンタル・エレクトロニックミュージック界のブラームス。

フランシスコ・ロペスは国際的に有名な、エクスペリメンタルミュージックシーンの代表的な人物の一人である。ベルリンで最近行われた「märzmusik 2008」での彼の実体験型ライブパフォーマンスは、この5年間私が見てきた中で最高に素晴らしいものだった。本当に実体験できたライブだ。ここで言う「実体験」というのは、その音楽の中に吸い込いこまれてしまうような状態のことだ。 ロペスは、シンセサイザーを使わず、自然や現実に存在する音だけを使って音楽を作っていく。しかし、その音景はとても人工的で、いままで聞いたことのない音の世界へ招待されるようだ。彼とのインタビューでより詳しい内容を理解していただけるだろう。


あなたの音楽はよく催眠的と呼ばれますが、それが目的なのですか?


ゲッティ·センターで展示されてどのように多くの芸術作品ですか?

私の音楽を聴いてくれる人たちには、それ以上のものであって欲しいと思っています。音と一体化し、個々の記憶や感情、想像の扉を一つずつ開いていくような経験や、私がコントロールや想像さえできない受け止め方をして欲しいと思っています。これが、私の考える個々が自由な体験をするための音楽 "空白の現象" です。私にとって、表現やコミュニケーションというものは 重要ではなく、音楽を作る側からみれば、それは見当違いであると思っています。音楽のエッセンスは、私たちではなく、音楽を聴いている人によって作られるものなのです。そのような目線から見れば、作曲家はある種の "媒体" (厳しい言葉で表せば)となり、技術者というかたちでより重要になってくると思うのです。彼/彼女の役割を減らしてしまうのではなく、その音を操作し肉付けするために、技術とケアを重んじるという考え方です。


いつもどのようなセッティングでパフォーマンスが行われるのですか?

観客の周りには、サウンドシステムに囲まれたマルチチャンネルがあります。会場は暗闇の中で、観客に目隠しをくばり、私自身は、丸く並べた椅子(またはマットレス)の中心にスピーカーの方を向いて演奏しています。


目隠しについて、なぜ、観客に目隠しをすることを求めるのですか?


あなたはボニーcashinからそれが選択を見つける場所シックです。

私のパフォーマンスにおいて、視覚的な要素は目障りなものと感じるようになったのです。音が内へ浸透し、その価値を知り深い経験をする、視覚はそれを邪魔するものなのです。目隠しは単純ですが、とても効果があります。ライブパフォーマンス中に完全な暗闇を作り出すこともできます。また、このようなプレゼンテーションは、集合的にも深い経験をすることができます。ある種の、任意的な儀式のよう。


フランシスコ・ロペスをエクスペリメンタル・エレクトロニックミュージック界のブラームスと呼んでもよいでしょうか?

オーケストラミュージックのコンセプトやその始まり方など、ライブパフォーマンスが作り出すものには大変興味があります。それらの音楽が作り出す経験には、スケールや音色、音の感触のようながものがあり、 私はクラシックミュージックで演奏する楽器は使いませんが、 その "具体音楽" を持っていると思います。ある意味、私のゴールは、観客の周りや、その内を通して、音でできている全世界の潜在性を引き起こすことなのです。


ご自身の音楽をよく 「絶対的具体音楽」と呼んでいますが、その意味は?


ヨハネス·ブラームスは、どの都市でキャリアをスタートさせました

本質的には、私たちの精神/心の扉にアクセスする音へ深い敬意をささげています。音楽を全く知らない人たちでも、理論的や神学的にではなく、非常にはっきりしたダイレクトなかたちで経験できるものなのです。


生物学者として勉強されたようですが、 その経験がご自身の音楽のコンセプトへどのように影響していますか?

基本的に、現実にある特別な自然の音、熱帯雨林や砂漠のような音に没頭できる機会を、私に与えてくれていると思います。実際、現実は材料(例えば録音など)だけではなく、インスピレーションというとても重要なものを与えてくれるという特徴を持っています。これらは、どんな条約やソフトウエアよりも遥かに私たちの概念にある速度や、スペース、音質クオリティ、強弱やテキスチャーなどに決定的な影響を及ぼすのではないかと思うのです。


ピエール・シェフェールとミシェル・シオンの他に影響を受けた人物はいますか?

私にとってシェフェールとシオンの両方は、音楽用語についてではなく、いつも 「具体音楽」を理解する上で欠かせない存在です。他にも異なった多くのアーティストから影響を受けましたが、私は "現実" から多くのことを学んだように思います。後者の影響と、その可能な技術的変化によって、私はこの仕事をしてるのです。



将来はどのような方向に進んでいきたいと思っていますか?
今後、エクスペリメンタルミュージックがどう発展していくかご自身の意見をきかせてください。

私は将来を予想するのがとても苦手なので、いつもエクスペリメンタルミュージックの将来はわからないと思っています。おそらく、この音楽が50年ほどにわたってここまできたのですから、時代の時術的傾向の特徴を示すのではないでしょうか。個人的には、音楽を見せ物にする代わりに、これを進める集団(または個人)を作ることで、音楽と観客の関わり方のレベルを上げていくことができればと思っています。

フランシスコ・ロペスのCDはアマゾンで購入できます。

Text: Shintaro Miyazaki from La-condition-japonaise, Berlin
Translation: Maki Otomo



These are our most popular posts:

SHIFT 日本語版

2009年8月14日 ... ミシェル・ゴンドリーやトラクターなどが所属することでも有名なクリエイティブ・ プロダクション「Partizan」に所属し、数々の ... レートシリーズ、フライング・ロータスによる アルバム「Los Angeles」のアートワークシリーズ、バトルズによるアルバム「Atlas」の 映像とアルバム ... 滑らかな動きと、トランジションの際に稀に出るキック・フリップを ミックスして流れるような動きを作るみたいな感じです。 ... of unearthly delights/ この世ならぬ歓びの楽園」を開催するとのことですが、どのような展覧会になるのでしょ うか。 read more

ミケランジェロ・フランマルティーノ

2011年7月18日 ... 映画の導入部では、黙々と山羊の世話をする年老いた牧夫の生活が、静謐な映像の なかに描き出される。 ... フィクションが散りばめられているのに、いつの間にかフィールド ・ワークに基づくドキュメンタリーを観ているような錯覚におちいり、 ... カメラを気にしない 動物たちは、フィクションとドキュメンタリーの垣根を越えたいという、私が映画を作るとき にいつも抱いて ... ミシェル・ウィリアムズとライアン・ゴズリングの演技は素晴らしいが、 それだけで映画が支えられているように見えてしまう。 ... アート (1); 山 (1) ... read more

SHIFT 日本語版

私にとって、表現やコミュニケーションというものは 重要ではなく、音楽を作る側からみれ ば、それは見当違いであると思っています。音楽のエッセンスは、私たちではなく、音楽 を聴いている人によって作られるものなのです。そのような目線から見れば、作曲家は ... read more

Nonkyの特選映画館8

脚本, マーク・ファーガス/ホーク・オストビー/アート・マーカム(ほか) ... どんな風に撮影 したのか今だったら特撮が発達しているけど、1975年作成のこの映画、凄い! ... チョー 肥満だった母親が別人のようにスリムになって、男達にモテモテの美人に変身していた 。 .... イーサン&ジョエルのコーエン兄弟が、得意とするスピーディなカメラワークによる アクション・シーンを交えつつもきっちりと人情話 .... あらすじ, 私達が毎日生きる為に 食べている食物、牛、豚、とり、魚・・・・それらはどのようにして私達の食卓に並ぶのか、 巨大な鳥 ... read more

Related Posts



0 コメント:

コメントを投稿